秋空

 空に季節があるのかどうかはややこしい問題で、空だけ見ていたのではいつの空かはわからない場合が多い。それでも、私たちは空にも季節があると思っている。季節のある空を表現するには小道具が不可欠で、大抵は植物や動物がその役割を担ってきた。例えば、春の空にはサクラ、冬の空にはタンチョウヅル。

 暑い夏から秋への変化を画像で確かめてみよう。秋の七草オミナエシが写っていれば、文句なく秋の空。パンパスグラスもアメリカフウの実も、私たちに秋の空を推測させる。動植物だけでなく、雲も季節を示す小道具の一つであることを忘れてはいけない。

 こうして、「パンパスグラスの背景は秋の空」と言うより、「パンパスグラスが生み出す秋の空」と言うのがより正確なのだろう。