スイフヨウの粋な花

 中国中部原産のフヨウ(Hibiscus mutabilis)の種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)という意味ですが、その園芸品種がスイフヨウ(酔芙蓉)。スイフヨウは花色の変化がより強調されていて、一日の中で色が変わって行きます。開花直後は白色ですが、次第に赤く変わっていきます。「酔芙蓉」はその様子を酒に酔う人の顔色の変化に見立てた粋な名前です。その花色の変化を観賞するため、庭園や公園に植栽され、既に室町時代に栽培されていた記録があります。

 花色の変化を午前、午後、夕方で比較して、白から色づいて行くことがわかったのが2年前のことで、以後はその花色変化が楽しみで、今年も花色変化を十分に味わうことができました。

*「芙蓉」は中国ではもともと「蓮の花」のこと。水の中に咲くものを水芙蓉、木に咲くものを木芙蓉と呼んでいました。日本では、蓮を芙蓉という習慣がないので、芙蓉といえば木芙蓉のこと。朝に咲き、夕方には萎んでしまう一日花です。