花の色変化:ニオイバンマツリ

 花色の変化の多くは、花に含まれる紫色や青色の要素を発色するアントシアニンと黄色や赤色を発色するカロテノイドという色素の働きが関係しています。花色だけでなく、紅葉もアントシアニンやカロテノイドなどの色素の働きによるものです。

 ニオイバンマツリの花は、咲き始めの濃い紫色から淡い紫色になり、2日ほどの間に真っ白な花へと変化します。白と紫の色違いの花が株を覆うように咲く姿は見事ですが、ニオイバンマツリの花色の変化は花弁に含まれるアントシアニンが酸化酵素によって徐々に分解されることによって起こると考えられていて、開花後はアントシアニンの分解が進むことによって次第に花色が淡くなっていきます。

スイフヨウの花色変化はニオイバンマツリとは反対で、花弁の中でアントシアニンの合成が進むことによって起こります。花が開いた直後は花弁にアントシアニンは含まれておらず、白い花色ですが、午後になると細胞内でアントシアニンをつくる酵素が活性化し、花弁にアントシアニンが蓄積され、次第に花は赤みを増していきます(画像は昨年のもの)。