秋の花:コスモス

 コスモスの原産地はメキシコ。アメリカ大陸発見後、スペインに種子が持ち込まれ、栽培が始まったようです。「Cosmos」は、ギリシャ語で秩序、調和、世界、宇宙などを意味しますが、ピタゴラスがはじめて宇宙をそう呼びました。彼は「世界のすべては数的で美的な秩序を根源としている」と考え、宇宙にも用いました。やがて宇宙論コスモロジーと呼ぶようになり、ルネサンスに入ると、宇宙全体をマクロコスモス、人間の魂や心をミクロコスモスと呼ぶようになりました。

 コスモスは外来種、和名は「秋桜」で、「あきざくら」と読みます。「女郎花(おみなえし)」や「百日紅さるすべり)」には当て字の漢字があり、『万葉集』や『古今集』でも詠まれています。「秋桜」と書いて「コスモス」と読むようになったのは、昭和52年に山口百恵が歌った「秋桜」が大ヒットしたからです。作詞作曲はさだまさし。タイトルも歌詞も「秋桜」と表記して「コスモス」と読ませました。

 そんな講釈を離れ、コスモスの花に秋を感じ入るのも一興。カオスのような世俗を暫し離れることができるのもコスモスのお蔭。マクロコスモスとミクロコスモスの象徴であるかのようにコスモスの花が秋風の中で咲いています。

 

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