このところすっかり秋になったようで、半そでの人がめっきり減った。人だけでなく、ここに登場する植物も秋の装いで、秋色が主役になってきた。秋に寒色は似合わず、赤や黄の暖色が眼に入り出している。
画像は紫色に熟したアオツヅラフジの実、コブシの赤い実、ナンキンハゼの青い実と紅葉、ヒイラギの実、そして、コルヌス・オーロラ(ミズキ科サンシュユ属)の紅葉である。どれも初秋を演出する小道具といったところで、既にそれぞれの植物の新緑や花、青い果実を紹介してきた。
自然は規則的で、そこに生きるものも自然に適応して、保守的である。規則的な反復は生意気な人には退屈で、そのため自然に干渉して、利用することを思いついたのだとすれば、人のいない世界はずっと単純で、退屈で、それゆえ、純粋だったのだろう。秋色の自然は多彩でも、それだけでは退屈だと思うのが人である。秋の自然の色は多彩でも、それだけでは満足しないのが人なのだろう。