ザクロ(石榴、柘榴)の実

 ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉木で、その果実もザクロ。ザクロは中東から中国を経て日本に渡ってきた。ザクロの幹は細く灰褐色で、光沢のある明るいグリーンの葉をつける。枝に小さなトゲがある。湾岸地域の公園などにも植えられていて、今実をつけている木が多い。果期は秋(9 - 10月)。果皮は厚く、秋に熟すと赤く硬い外皮が不規則に裂け、赤く透明な粒が多数現れる。果肉1粒ずつの中心に種子がある。

 秋が深まってきた頃、十分に熟すと厚みのあるオレンジ色の果皮がひび割れるように裂け出す。中にはぎっしり小さな実が詰まっていて、この小さな実は食用になり、ジュースやジャムの他、生食もできる。小さな実を歯で軽く押すように噛むと、程よい酸味と甘い果汁が口の中に広がる。

 小さな粒を口に入れて噛む感触がとても心地よかったことをザクロの実を見るたびに思い出す。この小さな実の中にさらに小さな種子が入っている。食べてみると種子が大きいので、見たほどの食べしろはない。やや酸っぱく、取り立てて食べたいほどの甘さではないのだが、それでも噛む感触が気持ちよく、忘れることができない。

*画像は果皮が裂ける前のザクロ。男性の中の唯一の女性は「紅一点」だが、中国の王安石が、ザクロの林の中に咲く花を詠んだ詩から出た言葉。

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