アレチウリ(荒地瓜)

 湾岸地域には当然ながら海や川の水辺があり、護岸だらけでも空地や荒地はそれなりにある。そこにはマメ科のクズやウリ科のアレチウリが目立つ。だから、クズとアレチウリが仲良く絡み合っているのを見つけ、両方を見比べることができる。既にクズやその花を紹介した(9月22日の「クズ:秋の七草)ので、今日はアレチウリを見てみよう。

 アレチウリは蔓性の1年草で、北アメリカ原産。1952年清水港で見つかり、その後、各地に拡散した。雌雄同株。葉腋から花序を出し、黄白色の花をまばらにつける。雄花と雌花はそれぞれ別の花序につき、雄花序は長さ10〜15cmでまばらに雄花がつく。雄花は直径1cm。
 アレチウリは2006年2月から「特定外来生物」に指定されている。春に発芽し、夏には旺盛に成長し、ツルを伸ばしながら他の植物に絡みつき、覆い尽くし、光を遮り、他の植物を圧倒し、アレチウリしか植生できなくなる。秋には枯れるが、種子の多くは翌年以降、発芽して同様に繁茂するため、放置すれば、拡がり、一面を覆い尽くす。

 全国の河川敷等で大繁茂し、駆除が行われている。ある研究によれば、まずクズがリター(落葉や落枝)を堆積することによって肥えた土壌をつくり、 保水能を高める。そのような環境にアレチウリが侵入し、繁茂するようである。

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