秋のタンポポモドキ:ブタナ

 湾岸地域ではほぼ1年中見ることができるのがタンポポで、蒲公英(ほこうえい)と書く。これは中国語表記を和名に当てたもので、「紫陽花(アジサイ)」、「向日葵(ヒマワリ)」などと同じ。その語源には諸説あり、例えば「たな」は「田菜」で、田んぼの草、その花の後の冠毛がほろほろと崩れることから「たなほほ」と言われ、音韻変化して「たんぽぽ」 になったと言われている。あるいは、冠毛を穂に見たてて、田の穂々と呼んだのが「たんぽぽ」になったとも言われている。そのタンポポの花によく似ていて、タンポポの春の開花に遅れて咲くのがブタナの花。漢字では「豚菜」。
 ブタナ、あるいはタンポポモドキはヨーロッパ原産の多年草。1933年に札幌で見つかり、その後各地への帰化がわかった。花期6〜9月だが、湾岸地域では今でも咲いている。ブタナもタンポポもキク科。タンポポによく似た黄色い花を咲かせ綿毛も作るが、開花時期はタンポポより遅いが、茎の高さはタンポポより高い40~80cm。タンポポタンポポ属の多年草で1本の中空の茎に一つしか花がつかないが、ブタナはエゾコウゾリナ属の多年草で中空でない茎が枝分かれして複数の花がつく。

 要するに、タンポポとブタナは花だけがよく似ていて、そこに私たちの関心がもっぱら集まったということである。

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