ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、そして、モミジバヒメオドリコソウの特定とは?

 画像はホトケノザヒメオドリコソウ、モミジバヒメオドリコソウの順だと思われるのだが…最後の画像のモミジバヒメオドリコソウヒメオドリコソウホトケノザの交雑種と考えられている。だが、ヒメオドリコソウとモミジバヒメオドリコソウの違いは微妙。

 ホトケノザは、その葉の形が仏様の台座のように見えるというのが名前の由来。ホトケノザといえば春の七草の一つとして有名だが、七草の「ホトケノザ」は同じ名前の別の植物で、コオニタビラコを指している。

 ヒメオドリコソウはヨーロッパが原産で、明治時代の中頃に渡来し、いまでは各地に広がっている。同じオドリコソウ属にオドリコソウ(踊子草)があるが、こちらは在来種。山で出会えるオドリコソウによく似ていて、小振りなので「姫」がつけられた。ヒメオドリコソウは極めて繁殖力が強く、空き地や土手などいろいろな場所で群落を作っている。

 ヒメオドリコソウの茎は短い毛を持ち、葉身は長さ2から4cm程度の卵円形。葉脈は網目状で窪み、全体に皺があるように見える。上部では暗紫色を帯び、葉をもむと悪臭がある。しばしばホトケノザとともに生えており、葉と花の色が似ているが、上部の葉の色づくこと、葉の先端が尖るほか上部の葉も葉柄を持つことで容易に見分けがつく。

 モミジバヒメオドリコソウの葉の色はヒメオドリコソウほど紫色がなく、ホトケノザに近い色をしている。ヒメオドリコソウとは形態がよく似ているが、葉には鋸歯がある。一方、ヒメオドリコソウの葉には深い鋸歯がない。

*野生の植物の特定は素人の私には意外に厄介で、意図的に生み出された園芸種とは勝手が違っている。野生種の名前は本来ファジーなものかもしれないことを示唆しているようにも思える。

ホトケノザ

ヒメオドリコソウ

ヒメオドリコソウ

モミジバヒメオドリコソウ