キンカンの実

 キンカン(金柑、Citrus japonica)はミカン科ミカン属の高さ3mほどの常緑低木で、キンカン属の常緑低木の総称でもあります(Citrus japonicaの学名を与えられていましたが、1915年にキンカン属に変更され、近年の系統発生解析で再度ミカン属に)。別名は金橘(きんきつ)、姫橘(ひめたちばな)。果実は小粒で甘酸っぱく、ほろ苦い後味が残ります。果実は球形か短卵形で、黄金色(画像)。

 キンカンは果皮のまま食べることができ、皮を捨てて果肉を食べるミカンとは違います。果実は果皮ごと、あるいは果皮だけ生食します。皮の中果皮、つまり柑橘類の皮の白い綿状の部分に苦味と共に甘味があります。果肉は酸味が強いため、果皮のついたまま甘く煮て、砂糖漬け、蜂蜜漬け、甘露煮、マーマレードにします。

*金柑は中国原産で、「金」はキンカンの実の色、「柑」は「柑子(こうじ)」で、ミカンの古い名前。1826年に中国の商船が遠州灘で遭難し、清水港に着いた際に地元の人に砂糖漬けの金柑果実をプレゼントし、そのタネが育ち、日本中に広まりました。

**「大実金柑」は普通のキンカンよりも一回り大きな実をもつ品種で、キンカンとミカン類の雑種と言われている。福寿金柑(フクジュキンカン)とも呼ばれていて、最初の画像以外の画像は大実金柑。