キンカンの黄色い実

 キンカン(金柑、Citrus japonica)はミカン科ミカン属の常緑低木で、キンカン属の常緑低木の総称でもある。別名はキンキツ(金橘)。果実は小粒で甘酸っぱく、ほろ苦い後味が残る。

 キンカンはミカン科の果実だが、果皮のまま食べることができ、皮を捨てて果肉を食べるミカンとは違う。果実は果皮ごと、あるいは果皮だけ生食する。皮の中果皮、つまり柑橘類の皮の白い綿状の部分に苦味と共に甘味がある。果肉は酸味が強いため、果皮のついたまま甘く煮て、砂糖漬け、蜂蜜漬け、甘露煮、マーマレードにする。

 「金」は実の色、「柑」は「柑子(こうじ)」で、ミカンの古い名前。別名は「姫橘(ひめたちばな)」。キンカンは中国原産。1826年に中国の商船が遠州灘で遭難し、清水港に着いた際に地元の人に砂糖漬けの金柑果実をプレゼントし、そのタネが育ち、日本中に広まった。