ギシギシ??

 ナガバギシギシ(長葉羊蹄、Rumex crispus)はヨーロッパ原産で、タデ科ギシギシ属の外来種。ギシギシの仲間には、ギシギシ(羊蹄、Rumex japonicus)やエゾノギシギシなどがあり、湾岸地域でも道端などでよく見かける植物です。ナガバギシギシの花は緑色で、長さが40cmにもなる円すい状の花序をつくります。

 花の色が緑のためか、目立ちませんが、近づいて観察すると、意外にも小花が鈴なり状にぶら下がり、遠くから見たのとは違う光景を見ることができます。老眼の私には花被、雄しべ、雌しべを見分けるのは大変ですが…

 謎めいたギシギシはタデ科多年草で、シノネ、ウマスカンポオカジュンサイなどとも呼ばれています。生薬名と中国名は羊蹄(ヨウテイ)。春から夏に淡緑色の花を房状に咲かせ、食べられる野草としても知られ、ぬめりのある春の若芽が食用になります。名前の由来は、茎や葉穂をすり合わせるとギシギシと音が鳴る、たくさんの果実をつけた穂を振るとギシギシと鳴るからなど諸説あります。

*「羊蹄山」の由来は『日本書紀』の「後方羊蹄」(将軍阿倍比羅夫蝦夷の助言で郡役所を置いたという場所)で、「羊蹄」は古語でタデ科のギシギシ、また羊のヒヅメを意味します。明治期以降、しばしば「後方」が略され、その音読みが定着しました。