キンカンの実

 キンカンはミカン科キンカン属の常緑性低木の総称です。「金」は実の色、「柑」は「柑子(こうじ)」で、みかんの古い名前です。キンカン類はミカン属と考えられていましたが、ミカンと比べると実が小さく、子房の室数が少ないなどの理由から、ミカン属から分離してキンカン属に分類されています。11月から5月にかけて実をつけます。別名は金橘(キンキツ)、姫橘(ひめたちばな)。

 キンカンは耐寒性が高く、病害虫の心配が少ないことから、家庭で楽しめる果樹の代表的な存在として親しまれています。キンカンはミカン科の果実の中ですが、果皮のまま食べることができ、皮を捨てて果肉を食べるミカンとは違います。キンカンの枝は棘がほとんどなく、夏に1~3個の小さな白い花をつけます。果実は球形か短卵形で、黄金色です(画像)。

 キンカンは中国原産。1826年に中国の商船が遠州灘で遭難し、清水港に着いた際に、助けてくれた地元の人に船員が砂糖漬けのキンカンをプレゼントし、そのタネが育って、日本で広まりました。

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