2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

花とヤマトシジミ

ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)はシジミチョウ科のチョウ。前翅長は9-16mmほどで小型、北海道を除くと、どこでも見られるチョウ。翅の表面はやや光沢のある水色で、裏面には灰色地に黒い斑紋が散りばめられている(画像)。翅の縁にそって二つずつの…

ナツズイセンの花

ナツズイセン(夏水仙)はヒガンバナ科の有毒の多年草。春にスイセンに似た葉を伸ばしますが、夏には枯れます。葉が枯れた後に、花茎を伸ばして、ラッパ状の花を数個つけます(画像)。花は淡紅紫色で花びらは反り返り、目立つ茎は太く、花はヒガンバナ(彼…

サンゴジュの実

サンゴジュ(珊瑚樹)はガマズミ科の常緑高木で、開花時期は6月中旬から下旬で、既にその花については記しました。その花は既に終わり、今は既に青かった実が赤くなり始めています。 サンゴジュ(珊瑚樹)はガマズミ科の常緑高木で、花が終わり、実をつけ、…

ヒロヘリアオイラガの幼虫

とても派手な幼虫で驚いたのですが、その仰々しい名前にもビックリしました。その名前が「ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾、Parasa lepida)」で、チョウ目イラガ科の昆虫です。画像の幼虫は「三吉(さんきち)」とも呼ばれます。若い幼虫は黄色く、棘が黒…

夏のセミ:我が記憶

「オスは腹を激しく振りながら大声で鳴く。鳴き声は「シャシャシャ…」、「センセンセン…」」というのがクマゼミで、子供の頃からこのような説明を何度も聞いてきた。そのクマゼミの鳴き声が妙に目立つのが今年の湾岸地域で、まだミンミンゼミやアブラゼミの…

タカノハススキの葉

タカノハススキ(Miscanthus sinensis 'Zebrinus')はその学名にZebrinus「シマウマのような」模様があることから、葉に斑が入り、(日本では)タカの羽の模様に似ることから和名がついたことが推測できる。 イネ科ススキ属のタカノハススキは葉に縞模様のよ…

夏のトレニア

今年もまた暑い夏がやってきた。トレニアの花姿はその蒸し暑さを忘れさせてくれる。そんな風に思わせるのがトレニアの花の凄さなのだが、それはほんの一瞬で、すぐ蒸し暑さの世界に引き戻される。トレニアはツルウリクサ属に分類される一年草もしくは多年草…

地球に生まれ、地球を変えた植物:酸素と二酸化炭素

地球と植物の関係は一体どのように捉えるのが適切なのか。植物が果たした役割は何だったのか。地球は40億年以上の歴史をもち、地表がすべて凍結するとか、突如恐竜が絶滅するとか、波乱万丈の歴史に満ち溢れている。地球の酸素は今約21%だが、その濃度は時…

アオメアブの妖しき姿

アメリカ風怪奇小説の中の妖怪のようだというのが私の第一印象。その名前は「アオメアブ(アオメムシヒキ、Cophinopoda chinensis)」で、 ムシヒキアブ科のアブ。体長25mm前後で複眼は青緑色、体は黄土色のムシヒキアブ(虫引虻)。他のムシヒキと同じよう…

パンパスグラス

パンパスグラス(pampas grass)はイネ科の多年草で、日本では「シロガネヨシ(白銀葭・白金葭)」、「おばけススキ」とも呼ばれています。湾岸地域には意外に多く、あちこちでその姿を見ることができます。原産は南アメリカで、名前の由来はアルゼンチンの…

ゲットウの花

ゲットウ(月桃、Alpinia zerumbet)はショウガ科の常緑性多年草で、インド原産。日本では九州南部から沖縄県に分布します。名前は漢名が「月桃」、奄美では「サネン」、沖縄県では「サンニン」と呼ばれています。 土中に地下茎が横に這い、あちこちから地上…

サフランモドキの花

最近よく聞くゼフィランサスの中では白い花を咲かせるタマスダレ(Zephyranthes candida)とピンク色の花のサフランモドキ(Z. carinata)が親しまれてきました。タマスダレもサフランモドキも明治初期に日本に入ってきました。いずれも湾岸地域ではよく見る…

ニチニチソウ

梅雨が明けたが、これから晩秋まで毎日次々に花をつけるのがニチニチソウ(日々草)。キョウチクトウ科のニチニチソウは今の高温の炎天下でも毎日綺麗な花を咲かせる。別名はビンカで、原産地はマダガスカルやスンダ列島などの暖かい地域。そのため、夏の暑…

セキチクの花

ナデシコ科のセキチク(石竹、Dianthus chinensis)は学名通りには「中国のダイアンサス」で、ダイアンサスは「ギリシャ神話のジュピターの花」。セキチクは中国原産で、万葉時代に渡来。花色はピンク、白、赤など。 セキチクの花の周辺部はギザギザで、花の…

サトイモ科の園芸種たち

サトイモはジャガイモと同じように茎が肥大し、塊茎(球茎)をつくります。種子はできず、種芋で繁殖します。サトイモの開花は非常に珍しく、何十年も花が咲かないのは珍しくありません。サトイモはマレー地方が原産地の熱帯の植物で、暑さや日照などの条件…

シセントキワガキの青い実

「四川常磐柿」と書けば、中国四川省原産の常緑の柿と推測ができる。シセントキワガキはカキノキ科カキノキ属で、庭木や盆栽として使われるロウヤガキに似ているが、ロウヤガキは落葉性。葉は肉質で長さ5~9センチほどで、普通の柿の葉よりずっと小さく、…

アルムイタリクムの実

和名はなく、英名がItalian arum、学名がArum italicum。サトイモ科アルム属で、塊茎から鏃形の葉を出し、葉は肉厚で、葉脈に沿って白い斑が入ります。ミズバショウのような大きな仏炎苞を春に咲かせます。神秘的で幻想的、うす紙を広げたような花(苞)です…

ノリウツギの美

ノリウツギはアジサイの仲間で、円錐形の花序(花房)をもつため、ガクアジサイやカシワバアジサイに似ています。開花期はアジサイより遅く、まだ咲いています。 開花は6~8月で、小さな花が集まってピラミッド状の円錐形を作ります。遠目にはガクアジサイ…

アオドウガネの姿

アオドウガネ(青銅鉦)は、街中でも見られる広義のコガネムシ。コガネムシに似ているが、胴体の一部が(光の当て具合で)赤銅色をしていて、胴体の端に長い毛がある。幼虫は地中の植物の根を食べ、成虫はくだものや野菜類、広葉樹の葉を食べる。草食の夜行…

言葉の力

1言葉のもつ力と言葉を操る力 私たちは言葉を操る動物です。その言葉は信念や欲求を正確に表現し、的確に相手に伝える力をもっています。私たちの言葉は真実を、正確に表現でき、その力は他の動物のコミュニケーション能力をはるかに凌駕しています。これら…

ペチュニアやアサガオの花

アサガオには似た花が多い。ペチュニア(ツクバネアサガオ)、チョウセンアサガオ、はアサガオによく似ていて、マルバルコウソウやカルミアは区別できる。アサガオ自体についても、ノアサガオ、シロバナノアサガオ、ヒロハヒルガオ、マルバアメリカアサガオ…

クレオメの花:形と色

和名はセイヨウフウチョウソウだが、属名のクレオメ(Cleome)と呼ばれることが多い。「クレオメ」はギリシャ語の「kleio(閉じる)」という意に由来。和名は、4弁の花から長い雄しべが伸びた独特の花姿がピンクや白の蝶が風の中で群がっているように見える…

マンデビラの紅白の花

白い花のマンデビラ・ラクサ(Mandevilla laxa)はチリアン・ジャスミンとしても知られていて、夏に香りの強い花を咲かせるつる性植物です。「チリのジャスミン」とも呼ばれているようですが、本物のジャスミンではありません。マンデビラ属を含むキョウチク…

ヒャクニチソウ、あるいはジニアの花 

ヒャクニチソウ(百日草)はキク科の一年草で、学名はジニア・エレガンス(Zinnia elegans)。原産地はメキシコで、日本には江戸末期の1862(文久2)年頃に渡来。「百日草」の名前の由来は開花期が百日とも言われるほど長いことから。実際、初夏から晩秋まで…

夏のダリア 

ダリアはキク科ダリア属の総称で、和名は花姿がボタンに似ていることから「テンジクボタン(天竺牡丹)」。メキシコが原産で、その後1842年にオランダから日本に渡来し、昭和期に家庭の庭先を飾る夏の花として普及しました。ダリアは夏から秋にかけて開花し…

海の日の「海行かば」

祝日「海の日」は7月の第三月曜日で、海の恩恵に感謝する日です。海から離れたところで育った私には海とは縁遠いのですが、それでもこの日には「海行かば」が思い出されるのです。 天皇家と大伴家の主従関係を再確認するような家持の長歌の一部が「海行かば…

初期仏教から大乗仏教へ

仏教は長い歴史をもつ。仏教誕生後の歴史の中で私たちにとって特筆すべき三つの事柄は大乗仏教の勃興、その中国化、そして、鎌倉新仏教の誕生。まずは、原始仏教と大乗仏教の誕生を見ておこう。 釈迦が生まれたのは2500年程前の紀元前5世紀(縄文時代の終わ…

オミナエシ(女郎花)

オミナエシの花が咲き始めている。オミナエシは秋の七草の一つで、日本では古くから親しまれてきた。山上憶良は「萩(ハギ)の花 尾花(オバナ) 葛(クズ)花 撫子(ナデシコ)の花 女郎花(オミナエシ)また藤袴(フジバカマ) 朝貌(アサガオ)の花」(「…

アニスヒソップの花たち

アニスヒソップ(Agastache foeniculum)は藤紫色の花穂をもつ多年草で、夏のハーブガーデンに欠かせないものである。セリ科のアニスのタネに似た甘くすっとする香りがあり、ハーブティーになる。原産地のアメリカ先住民は、のどの薬などとして古くから内服…

夏のブッソウゲの花

夏に似合うのがアオイ科フヨウ属のブッソウゲ(仏桑花、Hibiscus rosa-sinensis、Chinese hibiscus)。ブッソウゲは「扶桑花」、「仏桑華」、沖縄では「赤花」とも呼ばれてきた。近年はもっぱら「ハイビスカス」と呼ばれている。 ブッソウゲは雄しべと雌しべ…