とても派手な幼虫で驚いたのですが、その仰々しい名前にもビックリしました。その名前が「ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾、Parasa lepida)」で、チョウ目イラガ科の昆虫です。画像の幼虫は「三吉(さんきち)」とも呼ばれます。若い幼虫は黄色く、棘が黒く、成長すると緑色になり、棘も緑色で、一部がオレンジ色になります。幼虫にある棘(毒針毛)には毒があり、触れると強い痛みのある膨疹を生じ、アレルギー反応による皮膚炎を起こします。私には触ってみたい強い衝動があったのですが、それを我慢して正解でした。全身に毒棘と毒針毛をそなえ、触れると痺れたように痛むようです。繭にも毒針毛が付着していて、毒だらけです。庭木や公園、街路樹などでよく見られ、都市部にも多いとのことですから、まだこれからも目撃できる筈です。
ヒロヘリアオイラガは、南アジアを原産とする外来種で関東南部から西の日本各地に分布します。サクラ、カエデ、ケヤキ、カキ、ウメなど多くの樹木を食害し、人間にとっては厄介な毒虫ですが、自然界の天敵の一つがアシナガバチです。