梅雨が明けたが、これから晩秋まで毎日次々に花をつけるのがニチニチソウ(日々草)。キョウチクトウ科のニチニチソウは今の高温の炎天下でも毎日綺麗な花を咲かせる。別名はビンカで、原産地はマダガスカルやスンダ列島などの暖かい地域。そのため、夏の暑さや多湿に強い。
その名前から想起するのは「日日是好日(にちにちこれこうにち、にちにちこれこうじつ)」という雲門文偃(うんもんぶんえん)の有名な禅語。『碧巌録』第六則に収められている公案で、「日々是好日」とも表記され、「ひびこれこうじつ」とも読む。
「日日是好日」は、文字通りには「毎日が好い日」という意味で、そこから、そもそも日々の良し悪しを一喜一憂することが誤りで、常に今この時が大切なのだ、あるいは、あるがままの今をそのまま受け入れるのが良い、といった曖昧な解釈がなされてきた。騒然としたままの毎日を見ていると、とてもそのような気持ちにはなれない。
昨今ニチニチソウを見ていると、毎日が好日であることは何と実現しがたく、毎日が問題だらけだと感じ、それを仕方なく受容している自分に気づき、妙に苛立つのである。