寒ボケの赤い花

 バラ科のボケは落葉低木で、原産地は東アジアです。まだ寒い冬からと咲き始め、春になると、枝いっぱいに花をつけます。

 ボケは中国原産の樹木で、平安時代には既に移入されていたようです。ボケという名前は、この木に当てた漢字の木瓜(もっか)がなまったものと考えられています。瓜のような形と色をした果実が木の枝につくところからつけられました。でも、中国で「木瓜」は同じ属の高木カリンに当てられ、ボケには「貼梗木瓜」という字が当てられています。

 ボケには真冬から早春にかけて真っ赤な花をつける品種があり、ヒボケまたは寒ボケと呼ばれています(画像)。

木瓜咲くや漱石拙を守るべく(夏目漱石)

「寒木瓜」は晩冬、「木瓜の花」は晩春の季語。1897(明治30)年熊本で英語教師だった頃に漱石が詠んだ句で、「拙を守る」とは不器用でも愚直に生きることを人生の第一義とした漱石の生き方を表しています。