既にハクモクレンについて記した。そのハクモクレンに続いて、花が咲き出したシデコブシ(幣辛夷、四手拳)もモクレン科モクレン属の落葉小高木。別名はヒメコブシ。コブシやモクレンの仲間で、愛知、岐阜、三重の限られた地方に分布する日本の固有種。だが、野生種のシデコブシは絶滅が危惧されるほどに減っている。
庭木としてだけでなく、盆栽にも使われるシデコブシはコブシと同じ頃に微かに香る白い花を咲かせる。花びらがシデ(四手、紙垂、しめ縄や玉串につける紙)に似ていることから「シデコブシ」と名づけられた。コブシよりも花びらが細長く、その数は12~18枚もある(画像)。そのため、英名「Star Magnolia」は「星形の花のモクレン」であり、確かに英名は叙述的で、わかりやすい。