ウメか、サクラか、それともアンズかと思いながら近づくと、いずれでもなく、バラ科スモモ属のベニバスモモ。ベニバスモモはミロバランスモモの園芸品種。ミロバランスモモは南東ヨーロッパから西アジアが原産。花は白色から淡いピンク色で直径2センチほど、5花弁と多くの雄しべがあり、2月中旬から3月に花をつける。果実は直径2~3センチの核果で食用になり、7月上旬から9月中旬に黄色や赤色に熟す。同じバラ科サクラ属の植物だけに、ベニバスモモとソメイヨシノの花は確かによく似ている。ベニバスモモの花だけが目の前にあったらソメイヨシノと間違えてしまう。また、ソメイヨシノより1週間~10日程度早く開花する点も、間違える一因。サクラの開花を待つ絶妙のタイミングで、開花するのがベニバスモモ(ベニバスモモは自分のタイミングで咲いているだけ…)。
見分けるポイントは「ベニバスモモ」という名前にある。ソメイヨシノより小ぶりで、赤っぽい葉、紅葉が花とともに出てくる点にある。ソメイヨシノは花が散り始める頃に緑色の葉が出始め、いわゆる「葉桜」に移り変わっていくが、ベニバスモモは花が咲く頃から葉が出始め、しかもそれが紅葉。赤みがかった葉のために木が全体的に赤っぽい。つまり、ベニバスモモの特徴は葉が紅色のカラーリーフであること。