リキュウバイの花

 バラ科のリキュウバイ(利休梅)の別名はウメザキウツギ、バイカシモツケ、ウツギモドキ、マルバヤナギザクラと様々あります。今では庭木、公園樹としてよく栽培されていて、湾岸地域でも見ることができます。画像のような白い花を春に咲かせます。中国の揚子江下流域が原産の落葉低木で、日本への渡来は意外にも明治末期。清楚な花が茶人に好まれ、茶庭によく使われてきました。その名前も千利休にちなんでいて、「千利休の命日に咲く」という逸話があります。

 リキュウバイは梅と呼ばれていても、ヤナギザクラ属で、梅との関連はほとんどありません。リキュウバイは蕾が膨らむと同時に若葉も開き始め、白い花と若葉のライムグリーンの色合いが爽やかな印象を与えます(画像)。花の基部にへこみがあり、その周囲に雄しべが並びます。ウメやサクラに比べるとインパクトは弱いのですが、春の花木として忘れてはならない樹木の一つです。