ハクチョウソウとクサギの花:目立つ雄しべ

 ハクチョウソウ(ガウラ)の花は花弁が4枚で、先端が開いた雌しべ1本と縦長の雄しべ8本が印象的です。ハクチョウソウは初夏から秋まで次々と白やピンクの花を咲かせる宿根草で、アメリカのテキサス州ルイジアナ州に自生する植物。開花期は5~10月と長く、伸ばした茎の先端に約1.5cmの小さな花を咲かせます。花姿が白い蝶の飛んでいる姿に見えることから「ハクチョウソウ(白蝶草)」と呼ばれています。

 一方、既に記したクサギの花はハクチョウソウの花によく似ています。花は枝先や上部にある葉の脇に複数が円錐状に集まって垂れ下がります。花の先端は深く五つに裂け、満開時に全開します。開花期間は比較的長く、雌雄同株で雌しべ1本と雄しべ4本があります。自家受粉を避けるため、雄しべが突き出し、熟した後に、雌しべが熟します。

*ハクチョウソウは「サギソウ」や「トキソウ」のように「鳥」の白鳥ではなく、白い蝶のことです。近年は濃い赤花のハクチョウソウも登場し、白蝶草ではなくなっています。

クサギ