ナノハナとその仲間たち

 アブラナ科のナノハナの別名はハナナ、ナバナ、アブラナ、ナタネで、早春に春を告げる暖かな黄色い花を咲かせます。4月に入り、その菜の花(ナノハナ)の花をあちこちに見ることができ、春の到来を感じます。

 今はナノハナの在来種とセイヨウナノハナ、その交雑種や改良種がたくさん出回っていますが、葉には独特の縮れがあり、茎は直立し、茎先に黄色の十字状の花をたくさんつけます。種子からは菜種油がとれ、昔は灯火、食用油などに使われ、搾りかすは肥料に使われていました。また、私たちがおひたしや和え物として食べるだけでなく、蜂蜜の原料ともなってきました。

 作物としてはアブラナ(油菜)、ナタネ(菜種)と呼ばれ、中国には紀元前に伝播していて、それが奈良時代に渡来し、野菜や油料作物として広く栽培されてきました。現在栽培されているのはセイヨウアブラナ(西洋油菜)。アブラナは種子から油を採る植物の総称ですが、日本ではかつて栽培されていたアブラナ(和種)とヨーロッパで栽培されていたセイヨウアブラナ(洋種)に大きく分けられます。今景観用として畑や田んぼに植えられているのはその交雑種です。

 

 与謝蕪村 菜の花や 月は東に 日は西に

 小林一茶 菜の花の 中を浅間の けぶり哉

 正岡子規 菜の花や 小学校の 昼餉時

 

 菜の花を 通して響く 子らの声

 

 さて、ナノハナの中のストック、あるいはアラセイトウについて見てみましょう。ストック(Stock、Matthiola incana)は南ヨーロッパ原産で、アブラナ科耐寒性一年草。ストックは直立した柔らかい花茎から穂状花序を伸ばし、芳香のある花をつけます。花には一重咲きと八重咲きがあり、花色は桃色や白、赤と豊富です。和名は「アラセイトウ(紫羅欄花)」で、似たような花名で「オオアラセイトウ(大紫羅欄花)」と呼ばれるムラサキハナナ(紫花菜)があります。その別名は「ハナダイコン(花大根)」、「ショカツサイ(諸葛菜)」、「ムラサキハナナ」。

ストック

オオアラセイトウ