アオナ、ナノハナ、ナタネ

 まだ野原にはナノハナが咲いていて、タンポポなどと黄色の花色を競い合っています。

 

与謝蕪村 菜の花や月は東に日は西に

夏目漱石 菜の花の遥かに黄なり筑後川 

 

 アブラナはその成長過程で名前が変わります。アブラナ(油菜)は若葉を食用とするときはアオナ、花をつけているときはナノハナ、花のあとの種子がついたときはナタネです。ですから、上の二つの俳句は共に花が鑑賞の対象になっていることがわかります。実際、アブラナは古くから野菜として、また油を採るため栽培されてきた作物です。今では植物油の原料として栽培されているのはほとんどがセイヨウアブラナ(西洋油菜)です。