カリンは中国原産で、江戸時代に渡来したようである。その特徴は樹皮が独特の斑模様をしていて、ピンク色の花が美しく、大きな果実がたくさん実ることだろう。私にはその実はボケの実に似た印象があり、大きさは10~15cm、400gほどの重さがある。5月には実がつき、11月には黄色く熟すが、青いままの期間が長く、夏の間青い色が変わらない。熟した果肉は、薄い黄色~橙黄色で、中には5本の空洞があり、その中にたくさん種が入っている。
生のカリンには香りがあるが、とても硬く渋く、その上生のカリンを食べると、下痢や腹痛に襲われる。カリンがよく知られるようになったのは昭和50年代。カリン酒が咳止めや風邪に効くことで評判になったためである。中国では約2000年も前から薬用として利用されていて、それが日本に広がるようになったのは戦後のこと。
カリンの花、青い実、黄色く熟した実と画像を並べると、半年以上実をつけ、熟すのを辛抱強く待っていることがわかる。