2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

白いブーゲンビリア

「白いブーゲンビリア」と聞いて、どんな花を想像するだろうか。「ブーゲンビリアは鮮やかな赤紫の、南国の花」と言われ、どんな花を想像するだろうか。 ブーゲンビリアの花の色は、赤・ピンク・紫・黄色・オレンジ・白など様々。品種によってはミックスカラ…

実り(結果)と花(原因)、秋と春の交錯

11月の湾岸地域ではサンシュユの赤い実がなり、ボケ(木瓜)の花が咲き出している。秋と春の植物の営みがオーバーラップしていることを象徴するような自然のシーンである。ボケはボケている訳ではないだろうが、それにしてもせっかちな開花に見える。 ボケは…

ナワシログミの花

グミの仲間は世界に60種ほど、日本には約15種が自生。園芸植物として栽培されているのが、常緑性のナワシログミと、落葉性のナツグミ。ナワシログミは主に葉を観賞。枝は密に茂って長く伸び、生け垣として古くから利用されてきた。ナツグミの変種のトウグミ…

赤い実:センリョウ

センリョウ(千両)はセンリョウ科の常緑低木で、ヒトリシズカやフタリシズカなどと同じ仲間。江戸時代までは、「仙寥花(センリョウカ)」と呼ばれていたが、マンリョウ(万両)よりも実つきがまばらで、千両になったといわれている。縁にギザギザのある濃…

紅葉と綿毛

落葉樹の秋となれば紅葉、黄葉だが、足元の綿毛の秋も捨てがたい。綿毛は秋に限られないが、どれも春の新緑や蕾とは随分と違っていて、実りと終わりの季節であることを色と形で表現している。 紅葉や綿毛が一つの風景へと纏められるには知識や経験が複雑に絡…

デュランタの実

デュランタはクマツヅラ科デュランタ属の植物で、和名はハリマツリ、タイワンレンギョウ。花色が濃い青紫で、白い縁取りが入るものは「タカラヅカ」と呼ばれる品種(画像はデュランタ・タカラズカの花と実)。 花は夏に咲き、色は「藤」の花をはっきりさせた…

秋咲きクロッカスの花

クロッカスは秋植えの球根植物で、原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジア。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、花を愛でるクロッカスは早春に咲き、春サフラン、花サフランと呼ばれてきました。クロッカス(Crocus)はア…

立冬のナミアゲハ

秋分と冬至のちょうど中間にあるのが立冬で、それが11月7日だった。冬が近づき、昆虫の姿がめっきり減った。チョウやトンボといった昆虫の感覚や感情について私たちは無頓着、無関心のためか、まるでわからず、それゆえ神秘的でさえある。「チョウは悲しいか…

ゴードニア・ラシアンサスの白い花

ツバキ科ゴードニア属のゴードニア・ラシアンサスは北アメリカ原産の常緑高木で、ツバキに似た白花をつけます。白い美しい花が次から次へと一日交替で咲きます。ナツツバキ(シャラの木)に似た花を咲かせるので、別名が「ジョウリョクシャラ(常緑沙羅)」…

赤い実:ノイバラ

ノイバラ(野茨)はバラ科の落葉性のつる性低木で、別名はノバラ(野薔薇)。既に何度も記してきました。ノイバラは日本の野ばらの代表的な種で、その開花は5~6月、画像のような白い花が咲きます。花の直径は2~3センチで、芳香は強く、香水にも使われます…

アリッサムの花たち

アリッサム(Alyssum)は地中海沿岸原産でアブラナ科ロブラリア属の一年草です。小さな4弁花が数多く集まって地面を覆い、絨毯を敷き詰めたように見えます。背が低く地面を覆うように育つため、グラウンドカバーとして重宝される園芸植物です。花色には白や…

ジョロウグモの横のオニグモ

今年の湾岸地域はジョロウグモが多いと既に記しましたが、ジョロウグモの網の横に目立たないオニグモを見つけました。ジョロウグモに比べると、オニグモは目立たない姿恰好で、網も貧相です。大きさもジョロウグモの半分以下ですが、なかなかの存在感をもっ…

サルビア、あるいはメドーセージの花(?)

サルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)はシソ科アキギリ属の多年生植物で、南米原産。暑さ寒さに強い植物。草丈は1.5m程度に達し、初夏から晩秋にかけて3~5cm程度の濃青色の唇形の花を咲かせますが、いつ見ても見事な色です。 厄介なのはその名前。日…

赤い実:ミヤマシキミ

ミヤマシキミはミカン科の常緑低木で、別名はシキミア(スキミア)。10月頃に成熟する赤い実はマンリョウなどと同様に、冬の庭園に彩を添えてきました。実の「赤」は葉の「緑」と補色の関係にあり、画像が示しているように、鮮やか色の組み合わせになってい…

黒い実:クスノキ

クスノキ(樟、楠)はクスノキ科ニッケイ属の常緑高木。花の後にできる緑色の実は最終的に8ミリほどの大きさになり、10月から11月になると黒紫色に熟します。中には種が一粒入っていて、ムクドリやカラスなどが食べます。人には樟脳のような香りがあって美味…

秋のウラナミシジミ

ウラナミシジミ(裏波小灰蝶)はシジミチョウ科のチョウ。アフリカ、ユーラシア、オーストラリアまで広く分布し、日本では秋に各地で見ることができます。 シジミチョウの翅の裏面には、茶色と白色の細かい波模様があります。翅の表面は弱い光沢のある薄青色…

シナガワハギとシロバナシナガワハギの花

シナガワハギ属はシナガワハギ(品川萩)やシロバナシナガワハギ(白花品川萩)を含み、「スイートクローバー」と呼ばれるマメ科の属の一つ。 シナガワハギは江戸時代末期に品川で発見され、それで名前がついたらしい。耕作地の雑草や牧草地の植物として知ら…

黒い実:イヌツゲ

イヌツゲ(犬黄楊)はモチノキ科モチノキ属の常緑樹で、湾岸地域の公園に多く植えられている。見た目と名前がツゲによく似ているため、同じ仲間と思われがちだが、ツゲはツゲ科ツゲ属でまったく類縁関係がない。ツゲは成長が遅く、緻密でなめらかなツゲ材と…

ススキの秋

ススキ(芒、薄)はイネ科ススキ属の植物で、「尾花」とも呼ばれ、秋の七草の一つ。秋の月見には欠かせないものですが、さすがに11月ともなると、枯れススキが目立ち始めます。「ススキ」の「スス」は、葉が真っ直ぐに立つことを表わし、「キ」は芽が萌え出…

アメリカフウ(モミジバフウ、紅葉葉楓)の紅葉

アメリカフウは北米原産で、日本には大正時代に渡来し、湾岸地域でも公園や街路に植えられています。秋には、トゲトゲした球形の果実をたくさんつけます(画像)。その果実はリースやクラフトの材料に利用され、葉はモミジの葉に似て、美しく紅葉します(画…

11月のノアサガオ

11月に入っても相変わらず元気なのがノアサガオで、日中も花が開いています。ノアサガオは熱帯から亜熱帯地域に自生するつる性の多年草で、沖縄では海岸付近に旺盛に繁茂しています。「オーシャン・ブルー」が有名ですが、ピンクや白花も流通しています。昨…

11月のハチとアブ

アブはハエの仲間、ハチはアリの仲間と聞くと、それが常識だと思う人と、それは常識の盲点だと思う人がいて、結構厄介なことである。ハチは尻の毒針で刺し、アブは鋭い口で皮膚を切り裂き、血液を吸う。この違いも常識の盲点かも知れない。兎に角、ハチは刺…

バラの花たち(2)

バラの起源は7,000万年程前で、チベット周辺、中国の雲南省からミャンマーあたりで生まれたと言われています。紀元前6世紀頃にギリシャやローマでは、バラが栽培され、詩人サッフォーや哲学者プラトン、アリストテレスなどの著作にもバラが登場しています。…

バラの花たち(1)

バラの花は4月の中頃から咲き始めます。「一季咲き」のバラは年に一度、春(5~6月)にしか咲きません。原種のバラや古い品種のバラの多くは一季咲きです。四季咲きは春、夏、秋に繰り返し咲くバラです。「秋バラ」は四季咲きのバラが秋に咲いたものを指しま…

シマサルスベリの紅葉

シマサルスベリは中国中部、台湾及び奄美諸島などの亜熱帯に分布するサルスベリの近縁種です。開花時期はサルスベリと同じく6~8月頃ですが、「百日も咲き続ける」とされるサルスベリより、花期は短く、花の色は白のみで、小枝と花序に毛があるのが特徴。…

柿:実と葉

子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は文句なく有名なのだが、その意味は何とも不可解。ところが、「柿」は漱石のことで、「お前さんから貰った十円の金をここでみな使っちまった」という子規の挨拶の句だという。こんな解釈は子規と漱石のことを知らなけ…

アカボシゴマダラ再見

「アカボシゴマダラ発見」として9月15日に既に記しました。特定外来生物のアカボシゴマダラはタテハチョウ科に属するチョウです。画像は今年最後のアカボシゴマダラと思われます(最後の画像は9月15日のもの)。 アカボシゴマダラは奄美諸島のみで見られたの…

狂い咲き、狂い生(な)り

上野公園のサクラが何本も花をつけたのだから、キンシバイの花が咲いていても何の不思議もない。僅かとはいえ、我が家の周りのキンシバイは真冬以外は年中咲いている。花ではなく、野菜を考えるなら、キュウリ、トマト、ナスは「夏野菜」であり、私が子供の…

チェリーセージの紅白の花

日本でよく見かけられるチェリーセージ(ホット・リップス)はサルビア・ミクロフィラ (Salvia microphylla)の園芸品種です。チェリーセージはメキシコ北部原産の多年草で、茎頂や葉腋から花序を出し、赤色の花をつけるのですが、条件に応じて、赤い色の部…

ノブドウとヤマブドウの実

運河の橋下に隣同士で自生しているのがノブドウとヤマブドウで、ヤマブドウ、そしてノブドウの順に実をつけている。実の数は圧倒的にヤマブドウが多いのだが、ノブドウの実も色がつき出し、なかなかの存在感をもっている。 ノブドウ(野葡萄)はノブドウ属の…