ナワシログミの花

 グミの仲間は世界に60種ほど、日本には約15種が自生。園芸植物として栽培されているのが、常緑性のナワシログミと、落葉性のナツグミ。ナワシログミは主に葉を観賞。枝は密に茂って長く伸び、生け垣として古くから利用されてきた。ナツグミの変種のトウグミには果実が長さ3cmにもなる「ビックリグミ」がある。

 湾岸地域にはグミが多い。上記のビックリグミ(ダイオウグミ)、ナツグミの他にアキグミが目立つ。アキグミは、名前の通り秋に実が収穫できるグミ。収穫は秋だが、花が咲くのは春。実は1㎝弱と小さく、他のグミが楕円形なのに対し、丸に近い形をしている。ナツグミより一回り小さいアキグミの実は秋に熟す。

 一方、ナワシログミは秋に花が咲き、翌年の苗代の時期(5月頃)に赤く熟す。10月下旬から11月上旬にクリーム色の釣鐘状の花を咲かせ、翌年の初夏に赤い実が熟す。苗代を作る5月下旬頃に実が熟すことが和名の由来。葉の表面には星状の毛があり、裏面には星状毛が密生していて、銀白色で、点々と褐色の鱗片がある。果実は4月から5月の「苗代」を作るころに熟すため、ナワシログミの名がある。

 ナワシログミの根には放線菌が共生していて、空中チッ素を固定できる。そのため、湾岸地域の緑化に利用されたのかも知れない。

ナワシログミの花

ナワシログミの花

ナワシログミの葉

アキグミの葉

アキグミの花