既にハクモクレン、モクレンについて記しました。ハクモクレンに続いて花が咲き出すのがシデコブシ（幣辛夷、四手拳）で、やはりモクレン科モクレン属の落葉小高木です。別名はヒメコブシ。コブシやモクレンの仲間で、愛知、岐阜、三重の限られた地方に分布する日本の固有種。でも、野生種のシデコブシは絶滅が危惧されるほどに減っています。そのため、環境省のレッドリスト（2007）では、準絶滅危惧に登録されています。
和名の「シデコブシ」は花の形がコブシに似ていて、多数の花被片が白く細長く伸びている様子が「しで（紙垂、四手; しめ縄や玉串につける紙）」のように見えることに由来します。画像を見ると、たくさんの紙垂が際限なく下がっているように見えます。また、コブシよりも花びらが細長く、その数は12～18枚もあります。そのためか、英名「Star Magnolia」（「星形のモクレン」）は叙述的で、わかりやすい名前です。
