カラスノエンドウ、カスマグサ、スズメノエンドウはどれもエンドウ属ではなく、ソラマメ属の野草(花のサイズがカラスとスズメの中間にある(カとスの間でカス間)ことからカスマグサ)。烏野豌豆(カラスノエンドウ)の正式名称はヤハズノエンドウ(矢筈野豌豆)。
カラスノエンドウの花のサイズは大きく、花は小葉の脇から直接生えていて、ツルは何本かに分岐しています。栽培種のソラマメやエンドウの花は野生種の花より大きいことは言うまでもありません。
メンデルの「雑種植物の研究」(1865、『雑種植物の研究』岩波文庫)で使われたのがエンドウ。メンデルは「親から子へ形質がどのように受け継がれるか」という疑問に答えようとしました。形質は生物学的な性質のことですが、その形質を構成している要素が今では「遺伝子」と呼ばれています。メンデルは一万株を超える数のエンドウを栽培し、「メンデルの遺伝の法則」を発見しました。メンデルは典型的な植物オタクで、思想家でもあったダーウィンとは随分と違います。エンドウは世界中で栽培され、重要な食用になっています。英語ではグリーンピース。エンドウはエンドウマメとも呼ばれ、別名はノラマメ、サヤエンドウ、ヨサクマメ(年に四作もとれるから「四作豆」とも、空いた畑に作付けできるから「余作豆」とも)など。エンドウは春に蝶のような形の白や紅色の花をつけます(画像)。若莢はサヤエンドウ、莢中の若い豆はグリーンピースとして料理に使われ、完熟した豆は穀物として収穫されます。エンドウの仲間には、エダマメ(大豆)、ソラマメ(空豆)、インゲン(隠元)、フジマメ(藤豆)、リョクトウ(緑豆)等があります。最後の画像はソラマメの花です。



