アオキ(青木)はアオキ属の常緑低木。和名の由来は、常緑で枝も青い(緑)ため。葉は大きいものでは20cm程度になる。葉の形は通常楕円形で、縁には小さな鋸歯がある。その実は2㎝程の卵形の液果で、種子を1個含み、秋から冬に赤く熟す((画像)。江戸時代から盛んに栽培されてきた。赤く熟した実はヒヨドリなどに採食されるのだが、湾岸地域では冬の間中見ることができる。アオキは地味ながら、日陰に強く、公園や庭で重宝され、湾岸地域でもあちこちに植えられている。
普通ならアオキは目立たないのだが、雪の中では一変する。雪の中のアオキの赤い実は子供の頃の私の記憶の中に鮮明に残っている。裏庭で雪をかぶったアオキとその赤い実はセイヨウヒイラギの赤い実やポインセチアの赤い花などまるで知らなかった私には暗い冬を一変させる風景だった。雪の白、アオキの実の赤、そして葉の緑の三色は何とも絶妙な配色で、私の思い出の冬景色の一つになっている。
*アオキと並んで雪景色の中で見たいのがナンテンの赤い実である。


