ヒイラギの雌花

 ヒイラギ(柊)と聞くと、クリスマスの頃に出回る、ギザギザした葉に赤い実のついた枝を思い浮かべる人がほとんどではないだろうか。この赤い実がつくヒイラギは、正しくはセイヨウヒイラギで、ヒイラギとは別種の植物である。セイヨウヒイラギはモチノキ科の常緑高木で、ヒイラギと同じように葉の縁にギザギザとした突起があり、そこからセイヨウヒイラギと名付けられたようである。本物のヒイラギは雄雌異株で、雄花には雄蕊が2本あり、雌花は雌蕊が長く発達している(画像の花は雌花)。

 以前記したヒイラギモクセイはこのヒイラギと中国原産のギンモクセイとの雑種。ヒイラギもヒイラギモクセイも常緑小高木で、庭木として使われ、ヒイラギモクセイは垣根に用いられることが多く、湾岸地域でもよく見ることができる。

 ヒイラギモクセイの葉の縁には粗い鋸歯があってその先端は棘になっている。ヒイラギの葉は鋸歯の数が少ないが、その先端は鋭く尖り、触ると痛い。花はともに11月頃に咲き、形もサイズもキンモクセイに似ているが、色は白い(今年はヒイラギモクセイの方が2週間ほど早かった)。ヒイラギモクセイは実はつけないが、ヒイラギの実は翌年の夏に熟し、黒紫色である。

ヒイラギモクセイ