黒いチューリップ

 真っ黒のチューリップは見たことがないが、画像のようにそれに近いチューリップはある。『黒いチューリップ(La Tulipe noire)』(1850)はアレクサンドル・デュマ・ペールの小説。17世紀のオランダで起きたチューリップ・バブルと、1672年のデ・ウィット兄弟の惨殺事件を題材にしている。この原作を映画化した時の主役がアラン・ドロンだった。
 もともと花の色素に黒はないそ。花の色素のもとになるのは、アントシアン、カロテン、フラボノイドという物質。アントシアンは、赤、青や紫色のもとになり、カロテンは、黄色、だいだい色のもとになり、フラボノイドは、うすい黄色のもとになる。この三つの色素がまざりあって色々な花の色ができ上る。花は虫やチョウに花粉を運んでもらわないと種子ができない。ところが、黒は虫やチョウには見えないらしい。クロユリや黒いチューリップは、黒っぽく見えても、赤や紫の色素が濃くあつまったに過ぎない。

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