白花のヤハズエンドウ

 白花変種(はくかへんしゅ)とは、本来は色のついた花を咲かせるはずの種なのに、花弁で色素が形成されず、白い花を咲かせる個体を指します。いわば、花のアルビノです。カルコン(黄色)、フラボン(淡黄色)、アントシアン(赤や青)等の色素の発現に関わる遺伝子の異常によって起こります。花弁の細胞は一般に葉緑体が発達せず、透明に近いので、雪と同じで、光の乱反射で白く見えます。

 変種と呼ばれても、厳密には品種です。山野草でよく珍重され、好んで栽培されます。私がたまたま見た白花の個体は野生の個体で、その周りには普通のヤハズエンドウの花が咲いていました。目を凝らして見ると、花は純白ではなく、微かにですが、赤紫の色が浮かび上がっています。

 以前記したときはカラスノエンドウ(烏野豌豆)と呼びましたが、標準和名はヤハズエンドウ(矢筈野豌豆)です。漢字を見ると「烏の豌豆」ではなく、「カラス野豌豆」なので、同じように考えれば、「ヤハズ野豌豆」、つまり「ヤハズノエンドウ」とはならないのでしょうか。

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