「白い花はなぜ白い」の答

 白い花にはアントシアニンやカロテノイドのような色素は含まれていません。白い花が白く見えるのは、白い色素ではなく、花弁に含まれる気泡(空気の泡)が光を乱反射するためです。スポンジ状組織の気泡で反射された光の薄い淡黄色は人の目には白く光って見えます。そして、この気泡に光があたったとき、反射光によって淡い黄色(ほぼ透明)が人の目には白く映るのです。

 例えば、ビールの液体は黄色いのに、ビールの泡は白く見えます。これも気泡によって白く見えているのです。ですから、白い花が枯れると、花びらはほぼ透明になります。つまり、白い花には目に見える色素がなく、白く見えているのは気泡なのです。

 でも、白い花も無色素ではなく、フラボン系色素(フラボノイド)(淡黄色)を含んでいます。フラボノイドが無色に見えるのは、人間が認知可能な可視領域の光をほとんど吸収しないからです。

*画像は今咲いている白い花で、バラ、シクラメンスイセンです。