2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

サフランモドキとミツバチ

サフランモドキはタマスダレ属の植物で、最近湾岸地域でもよく見ます。タマスダレ(Zephyranthes candida)とサフランモドキ(Z. carinata)は近縁で、白い花のタマスダレとピンク色の花のサフランモドキは共に明治初期に入ってきました。特に、タマスダレは…

マウンテンミントの花とアオスジアゲハ

マウンテンミント(広葉)は初夏から秋に白い花が開花するシソ科の宿根草。その花が咲いていて、アオスジアゲハが周りを飛び廻っている。マウンテンミントには、細葉と広葉があり、画像は広葉。名前にミントとあり、ミントに似た香りがする。だが、ミントと…

日本の七夕

七夕を「たなばた」と読むのは至難の技。七夕は「しちせき」とも読み、古くからある日本の行事。子供の頃は七夕が近づくと、ハロウィーンのように妙に胸が高鳴ったものだが、その由来や意義となると何とも怪しい限りなのだ。でも、毎年7月7日の夜に願いごと…

アプテニア (花蔓草)の花

アプテニアは南アフリカ原産で、緑色の茎が匍匐して広がり、鮮やかな緑色の多肉質の葉が密生します。私はこの多肉質の葉が好きで、多くの花の中に僅かに咲く赤い花が印象的です。和名では「はなつるくさ(花蔓草、はなずるそう)」。5月から10月頃、鮮やかな…

元気に花を咲かせるディエテス・ビコロル

アヤメ科のカキツバタやハナショウブはサトイモ科のショウブとは別物です。そのアヤメ科に属するディエテス・ビコロル(Dietes bicolor、英語ではAfrican iris)を既に何度か記しましたが、まだ元気に花をつけています。再度、その花を見てほしくなりました…

夏の昆虫を垣間見る

私は昆虫少年であったことがなく、正直なところ昆虫が格段に好きという訳ではない。だが、昆虫には人並みの関心は持っている。暑くなり出すと、昆虫の活躍する姿が目立ち始め、その姿に惹きつけられるのである。 画像は順番に、ナガメ、アオドウガネ、シロテ…

「妙高山関山神社」と神仏習合

妙高市には関川、関山があり、いずれもかつては村だった。二つの地名は山や川に因んでいるのだろうが、私には正確な由来がよくわからない。とはいえ、関川関所、関山神社は今では共に有名な観光施設になっている。 今年の関山神社の火祭りのポスター(画像)…

エゴノキの実

エゴノキはエゴノキ科の落葉小高木。湾岸地域では公園や歩道でよく見かけます。「エゴノキ」という名前は果実を口に入れると、喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことからつけられました。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々しさ…

関山神社の性格から

関山神社火祭りは妙高山信仰から生まれ、この7月15日に仮山伏の棒術、松引き、16日に神輿渡御が行われます。そこで、関山神社について暫し考えてみましょう。その前に、 YouTube「妙高山その知られざる信仰と歴史」 (https://www.youtube.com/watch?v=InTdD…

ミソハギの花

「ドロップモア・パープル」と呼ばれるミソハギはヨーロッパからアジアに分布しています。夏の終わりから初秋にピンク色の花を咲かせます。ミソハギは学名がLythrum virgatum、 英名がDropmore Purpleです。 でも、日本ではLythrum ancepsをミソハギと呼ぶよ…

ユリアザミの花

ユリアザミには幾つかの種類があり、初夏から穂状の花を咲かせます。よく出回っているのは穂状の花を咲かせるスピカータ(Liatris spicata)です。球状の花を咲かせるものもあり、実際には交雑種の区別は曖昧になってきています。花色はよく見かける赤紫のほ…

アニスヒソップの花

アニスヒソップ(Anise hyssop、Agastache foeniculum)は、カナダ~北米原産で、シソ科カワミドリ属の耐寒・耐暑性多年草です。和名はカワミドリ属で、葉や花がアニスの香りに似ています。学名のアガスターシェ(Agastache)や、ジャイアントヒソップ(Gian…

残る校歌、消える校歌

妙高高原北小学校と妙高高原南小学校が統合されたのはつい最近です。私が通っていた新井小学校は校舎がすっかり変わっても、そのまま存続しています。故郷から消えたもの、残ったもの、生まれたものの「もののあわれ」を小学校に、それも校歌を通じて感じ取…

ニワギキョウの花

キキョウ科のニワギキョウの学名はカンパヌラ・カルパチカ(Campanula carpatica)で、原産地はヨーロッパです。キキョウの仲間で、釣り鐘型の花形が多いのですが、ニワギキョウは盃状に開くのが特徴で、キキョウの花に似ています。花色は青紫色で美しく、花…

アメリカフウ(モミジバフウ、紅葉葉楓)の木の実 

北米原産のアメリカフウは大正時代に渡来し、湾岸地域でも公園や街路に植えられています。その葉はモミジの葉によく似ているので、モミジバフウの別名があります。開花は4月頃で葉の展開と同時です。雌雄同株で、同じ木に雌雄それぞれの花が咲きます。雄花…

ユキツバキの周辺(2)

さて、「ユキツバキ」発見にまつわる史的エピソードはこのくらいにして、ユキツバキが本当にヤブツバキと異なる新種か否かについての研究経緯を見てみよう。 『研究報告第21号要約集』(富山市科学文化センター、1998)に「2倍体ユキバタツバキの形態変異(…

ユキツバキの周辺(1)

ツバキは『万葉集』に九首しか載っていないが、室町時代中期から茶の湯の文化に不可欠な花となってきた。茶花の主役はツバキで、江戸時代もツバキブームは続いた。18世紀始めにツバキがヨーロッパに渡り、「日本のバラ」とよばれ、アレクサンドル・デュマ・…

チュウキンレン(地湧金蓮)

バショウ科のチュウキンレンの別名は「チャイニーズイエローバナナ」で、確かにバナナに似ている。チュウキレンは中国南部の山岳地帯原産の園芸品種。バナナに似ているが、果実は食べられず、観賞用に栽培されている。確かにバナナの仲間だが、熱帯アジアを…

アオギリの花

私は桐の木を随分と見ていない。桐の木の春に咲く花は薄紫色で、強烈な匂いを放っていたのをよく憶えている。その匂いが妙に懐かしい。今でも故郷には昔と同じように桐の木があるのだろうか。そして、子供の頃は桐の下駄が妙に好きだった。とても軽く、木の…

ツバキの実

ツバキは観賞用の花木、そして代表的な茶花として知られ、江戸時代にはユキツバキを掛け合わせるなどして数多くの品種が作られた。ヨーロッパでも「冬のバラ」と称され、品種改良が進んだ(例えば、アレキサンドル・デュマ・フィスの小説『椿姫』(La Dame a…

「妙高」の整理

「日本百名山の妙高山と火打山を合わせた妙高山系」と言う表現が山開きのニュースに登場していた。焼山は入らないのかと私が思ったのも、妙高山、火打山、焼山は一緒に「頸城三山(Kubiki Sanzan)」と呼ばれてきたためである。さらに範囲を広めると、黒姫山…

モッコクの小さな花

モッコクは関東以西の本州を原産とするツバキ科モッコク属の常緑樹で、主に太平洋岸の林に自生する。樹齢を経るに従って樹姿に風格が出ることから、「庭木の王」と呼ばれ、江戸時代の庭造りでは重宝された。花が咲き、実もなるが、最大の魅力はツバキ科独特…

スズランノキの花

スズランノキは北米原産のツツジ科の落葉樹。ニシキギ、ニッサ(ニッサボク)と並び、世界三大紅葉樹と称され、夏に咲くスズランのような白い花が見事で、最近は急速にシンボルツリーなどとして庭木に利用されるようになっています。私が湾岸地域でこの木を…

ハマナスの実と花

既に何度も言及してきたように、古来より日本に自生するバラの原種の一つがハマナス(浜茄子、浜梨)。そのハマナスは西洋に渡り、私たちが現在楽しんでいる近代的なバラの誕生に大きく貢献しました。 ハマナスは既に3月には咲き出しますが、その園芸種を含…

頚城の山と京都大学学士山岳会

「えちご妙高会」という名前は山が好きな人には越後に関わる山岳会の名称で、名峰妙高山に関わる人たちの集まりだと思う人が相当数いる筈です。残念ながら、えちご妙高会は妙高市出身の郷人会で、それも高齢者の集まりに過ぎません。それでも、妙高市にとっ…

モクゲンジの花

中国原産のモクゲンジ(木欒子) はムクロジ科モクゲンジ属の落葉高木で、日本には割と古くから渡来していたと思われます。「栴檀葉の菩提樹(センダンバノボダイジュ)」とも呼ばれ、種子を数珠にするために寺院に植えられていたようです。「モクゲンジ」とい…

タラヨウの実

タラヨウ(多羅葉)はモチノキ科モチノキ属の常緑高木。奇妙な和名「タラヨウ」は、先の尖ったもので葉の裏側に文字を書くと、黒く跡が残る性質がタラヨウにあり、それがインドで仏教の経文を書くのに使われた貝葉の原料であるヤシ科のタラジュ(多羅樹)と…

ギレニア・トリフォリアタの白い花

ギレニア・トリフォリアタ(Gillenia trifoliata)の和名はミツバシモツケで、清楚な星型の花をつけます。スッと伸びた草姿が美しく、秋には葉の紅葉も楽しめます。ギレニアは北アメリカ東部原産で、初夏に小さな白い花をたくさんつけます。 和名の「ミツバ…

ガウラの花色

ガウラ(和名ハクチョウソウ)は初夏から秋まで次々と白やピンクの花を咲かせる宿根草で、アメリカのテキサス州やルイジアナ州に自生する植物。草丈は90~150cm、開花期は5~10月。伸ばした茎の先端に約1.5cmの小さな花を咲かせます。花姿が白い蝶の飛んでい…

火打山、そして大島と深田

(これまで記した二つの雑文をまとめ、改訂したもの) 頚城三山のゆるぎなき主役は妙高山。それは古くから信仰の対象となり、関山神社の別当寺宝蔵院が山を管理してきました。では、他の山々はどうだったのか。糸魚川から静岡までのフォッサマグナを境に日本…