モッコクの小さな花

 モッコクは関東以西の本州を原産とするツバキ科モッコク属の常緑樹で、主に太平洋岸の林に自生する。樹齢を経るに従って樹姿に風格が出ることから、「庭木の王」と呼ばれ、江戸時代の庭造りでは重宝された。花が咲き、実もなるが、最大の魅力はツバキ科独特のツヤツヤした葉。付け根部分(葉柄)が赤いのが大きな特徴で、春の新芽、刈り込み後の新芽は葉全体が赤くなる。花の香りが石斛(セッコク)に似た木という意味で、江戸初期に木斛(モッコク)と命名された。今頃咲く小さな白い花は微かに甘い香りを感じる程度だが、蜂などの昆虫がよく集まる(画像は1週間ほど前のもの)。

*最後の二枚の画像はそれぞれモッコクの紅葉と赤い実