「妙高」の整理

 「日本百名山妙高山火打山を合わせた妙高山系」と言う表現が山開きのニュースに登場していた。焼山は入らないのかと私が思ったのも、妙高山火打山、焼山は一緒に「頸城三山(Kubiki Sanzan)」と呼ばれてきたためである。さらに範囲を広めると、黒姫山飯縄山斑尾山を含めて、「妙高火山群」と呼ばれてきた。確かに、妙高火山群(Myoko Volcano Group, consisting of five stratovolcanoes, Myoko, Kurohime, Iizuna, Yakeyama and Madarao)も論文ではよく使われている。

 さらに、「妙高山系」という名詞は、「妙高山系の伏流水」で酒が造られ、登山では「妙高山系(妙高山、焼山、火打山)への登山届け」といった使われ方がされている。妙高山系、頚城山系はそれぞれ、Myoko mountain range、Kubiki mountain rangeと訳されてきた。

 また、頸城山塊(くびきさんかい、Kubiki massif)は関川以西で姫川以東、新潟県と長野県との境に連なる山域の総称で、「頸城アルプス」あるいは「妙高連峰(Myoko mountain range)」、「頸城連峰」と呼ばれることもある。雨飾山(あまかざりやま)は小谷村と糸魚川市との県境にあり、妙高戸隠連山国立公園の西端に位置し、頸城連峰に属している。

 三山では足りず、「頸城五山」と冠した「頸城五山トレイル縦走(Kubiki Five Mountains Trail)」は妙高山火打山、焼山、金山、雨飾山を縦走するレースである。

 妙高山関連の語彙が豊富なのは喜ばしいことなのだが、それでも名詞が混乱気味なのは気になる。他の領域の語彙もほぼ似た状況にあるのではないか。故郷の地名や文化的な語彙の豊穣さを整理するために名称についての語彙集がほしいものである。