ツバキは観賞用の花木、そして代表的な茶花として知られ、江戸時代にはユキツバキを掛け合わせるなどして数多くの品種が作られた。ヨーロッパでも「冬のバラ」と称され、品種改良が進んだ(例えば、アレキサンドル・デュマ・フィスの小説『椿姫』(La Dame aux camelias、1848)は有名である)。単にツバキという場合は園芸品種を含むが、野生の原種であることを強調する際、「藪に生える」ことを強調してヤブツバキと呼ばれる。
湾岸地域でも歩道の植栽、街路樹としてよく使われるのがツバキ。ツバキは冬に花をつけるのだが、6月には若い実がたくさんついて、それらがすっかり色づいている。この実の中に椿油の種があると思うと妙な気持になる。
ヤブツバキは太平洋側に分布し、日本海側には亜種のユキツバキが分布する。私が子供の頃に見ていたツバキは果たしていずれのツバキだったのだろうか。このような問いは昨年12月にツバキについて調べたことが全く不十分だったことを示している。