エゴノキの実

 エゴノキエゴノキ科の落葉小高木。湾岸地域では公園や歩道でよく見かけます。「エゴノキ」という名前は果実を口に入れると、喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことからつけられました。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々しさと花の可憐さを同時に楽しめます。一つの枝の先に複数の花を咲かせ、開花期には白い花で枝がいっぱいになります。また、その緑の葉は湾岸地域の緑化の一端を担っています。

 エゴノキの実は灰白色の卵球形(画像)で、10月頃には果皮が裂けて種子が落ちます。エゴノキの実の果皮には、10%ものエゴサポニンが含まれ、その果皮をすりつぶして、水に入れて振ると、白濁して泡立ち、石鹸水になります。エゴノキは古くから親しまれてきた万葉植物の一つで、昔はこの実をすりつぶして川に流す方法で漁が行われていました。