エゴノキの花

 一週間ほど前まで樹木一杯に咲き誇っていたのがエゴノキの花。エゴノキは全国の雑木林に多く見られ、湾岸地域の公園でもよく見かけます。名前の由来は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことから。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々しさと花の可憐さを同時に楽しむことができます。花は長い葉柄を持ち、枝の先にぶら下がるように咲きます。一つの枝の先に複数の花を咲かせ、さらに枝は細かく枝分かれしているので、開花期には花で枝がいっぱいになります(画像)。エゴノキの花色は白花が主流。

 エゴノキの果皮には、10%ものエゴサポニンが含まれ、『万葉集』にも「ちさ」の名で登場しています。果皮のエゴサポニンは、界面活性作用があり、その果皮をすりつぶして、水に入れて振ると、白濁して泡立ち、石鹸水になります。エゴノキは古くから親しまれてきた万葉植物の一つで、昔はこの果実をすりつぶして川に流す漁法が行われていました。

*最後の画像に映っているアオスジアゲハで花のサイズを実感してほしい。