ハナシュクシャはキューバでマリポーサ(蝶)と呼ばれ、1936年に国花に選ばれました。白い花色が純粋さや平和を表すと考えられ、花がまとまって咲く姿も人々の結びつきの象徴とされました。国花の選定理由はキューバの独立運動にあります。独立戦争の頃のキューバではこの花が女性たちの胸元に飾られ、解放軍あての伝言を隠すために使われました。単に美しい花だけでなく、愛国心や自由への願いを託す花だったのです。ハナシュクシャはキューバ原産ではなく、アジア原産です。でも、キューバの気候によく適応し、広く親しまれ、それが国花選定では重視されました。
ショウガ科のハナシュクシャの別名は「ジンジャー」、「ジンジャーリリー」、「ホワイトジンジャー」など。インドが原産で、日本には江戸時代に渡来。ハナシュクシャは背の高さが1~2mにもなる多年草で、茎のように見える部分は葉鞘が重なり合った偽茎です。葉の間から花茎を伸ばし、長さ15~30cmの穂状花序に多数の花をつけます。花は白色で、画像のような独特の美しさがあります。花には芳香があり、香水にも使われています。
*ジンジャーというと生姜(ショウガ科ショウガ属)と間違えそうですが、ハナシュクシャは生姜とは別種です。「縮砂」はショウガ科植物の芳香のある種子や果実に由来する生薬名で、そこから観賞用として白い花が目立つものを「花縮砂」と呼ぶようになりました。中国語の生薬名「縮砂」をそのまま音読みしたもので、漢字自体は「縮む+砂」で、種子の見た目から付いたと思われます。
**ハナシュクシャは「日本的な花か」と問われると、私はわからなくなります。ハスとスイレンは「いずれが日本的か」と問われても、やはり明確な答えはできません。サクラは文句なく「日本的」かも知れませんが、ひょっとすると、「日本的」なものは日本語以外にはないのかも知れません。そして、それに準じるような「日本人」、「日本史」、「日本文化」等々も日本的なのかも知れません。でも、さらに厄介なのは「「日本的」という単語は歴史的に変幻自在である」と言う主張がまんざら誤ってもいないという点です。



