先駆種は植生(ある場所に生育しているすべての植物)が遷移していく初期に見られる植物種のことで、先駆植物、パイオニア種、パイオニア植物とも呼ばれます。新しい空き地が生まれると、そこに最初に生えてくるアカメガシワは先駆種の代表例です。
アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)は子供の頃よく見ていただけでなく、今でも湾岸地域でよく見ることができますが、その割には名前が知られていないようです。落葉高木で、山野に生えており、春にでる若葉は紅色をしています。雌雄異株で、樹高は5-10メートルほどです。今年も花が咲き出していて、枝先に穂状の小さな花を多数つけ、雄花には黄色の葯が目立ちます。
アカメガシワは子供の頃からいつも見ていたせいか、好奇心が薄れ、名前を調べる気にもなりませんでした。私がその名前を知ったのは中年になってからです。先駆種のアカメガシワ、クサギはいずれも成長が早いのですが、樹形はまとまらず、森林の遷移によって消えていきます。クサギやナンキンハゼは雌雄同株ですが、アカメガシワは雌雄異株です(雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株)。
*先駆種のアカメガシワはクサギ(雄性先熟)、ナンキンハゼ(雌雄同株で、秋に紅葉)などと共に森林の遷移によって消えていきます(湾岸地域は埋め立てによる造成地で、そのため先駆種が目立つ)。先駆種は寿命が短く、数十年で枯れるものがほとんどです。それに対して、極相種は先駆種の陰で陰樹として遅れて育ちますが、成長して林冠を構成しても枯れることがなく、同じ種の世代交代で安定した状態の森林を維持できます。




