アカメガシワの雌雄の花

 子供の頃からいつも身近に見てきたのがアカメガシワで、先駆植物の一つ。先駆植物は植生(ある場所に生育しているすべての植物)が遷移していく初期に登場する植物のことで、先駆種、パイオニア種、パイオニア植物とも呼ばれている。新しい空き地が生まれると、そこに最初に映えてくるのが先駆種の代表例で、アカメガシワはその一つ。子供の頃よく見ていたが、湾岸地域でも再会して何とも懐かしく思ったのである。

 アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)は落葉高木で、春にでる若葉は紅色をしている。雌雄異株で、樹高は5-10メートルほどに達する。花期は6-7月で、枝先に穂になって小さな花を多数つける。クサギやナンキンハゼは雌雄同株だが、アカメガシワは雌雄異株(雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株)。雄花には黄色の葯が目立つ。雌花は雄花よりも小さく、花数も少ない。画像のように、雌花と雄花の違いがはっきり分かる。

*先駆種のアカメガシワクサギ(雄性先熟)、ナンキンハゼ(雌雄同株で、秋に紅葉)などと共に森林の遷移によって消えていく(湾岸地域は埋め立てによる造成地で、そのため先駆種が目立つ)。先駆種は寿命が短く、数十年で枯れるものがほとんど。それに対して、先駆種の陰では陰樹として遅れて育つが、成長して林冠を構成しても枯れることがなく、同じ種の世代交代で安定した状態の森林を維持できる種が極相種。

雌花

雄花