新潟は大雪で大変だが、その雪に因んだ名前をもつのがスノードロップ(snowdrop)。「ガランサス、待雪草(まつゆきそう)、雪の花(ゆきのはな)、雪の雫(ゆきのしずく)」とも呼ばれ、今花が咲いている。スノードロップは白い下向きの花を1輪咲かせ、春を告げる花として人気がある。スノードロップの原産地はヨーロッパ。花は3枚の白い花弁と真ん中に緑色の芯をもっている。
*アダムとイブは禁断の実を食べ、エデンの園を追放される。冷たい雪が容赦なく吹きつけ、震えていると、天使が現れ、寒い冬の後に暖かい春が来ると慰め、雪をスノードロップの花に変える。そこから、「希望」という花言葉が生まれた。
今の季節にスノードロップの花を見ると、私が思い出すのがスノーフレーク(雪の一片)で、こちらはヒガンバナ科の球根植物。花がスズランに、葉がスイセンに似ていることから、「鈴蘭水仙」と呼ばれる(画像)。
「植物が花を咲かせるのはなぜか」という問いに対し、多くの人は「受粉させるため」と答える。虫や風を利用して受粉させるために、植物たちは魅力的な香りや花色を生み出してきた。となると、下を向いて咲く理由は何なのか。それは、下向きで咲く花を好むハナバチ類を誘っていると考えられている。ハナバチ類は行動範囲が広く、一つの花での採蜜時間が短く、効率よく多くの花を訪れて受粉の可能性を増す昆虫である。このハナバチ類に好まれるように、花首を長くし、下を向くように進化したと思われている。
ピンクと白の色合いで春の訪れを感じさせるのがアセビ(最後の画像)。その花は下を向き、壺のような形をしている。わざわざ入口を狭くする形に一体どんな利点があるのか?虫が入り、横に飛び出ている糸に触れることで、糸にくっついている雄しべが振動し、花粉が落ちる。下向きの花だから、虫が入ってきて、上に上がってくる時に花粉をばらまいてくっつける。蜜は一番奥にあり、虫は花の中を登らざるを得ないのである。
*「雪の雫」の「雫」の漢字は雨が下に落ちる様子を表現していて、「水の滴り」である。雫が水なのはわかるが、「雪はしたたるのか」という問いは何かおかしいと思う人がいる筈である。確かに「雪雫(ゆきしずく)」、「雪解雫(ゆきげしずく)」は春の雪解けの水のしたたりを表現している。「雪が解けて(水になって)したたる」ことを何度も見てきた私には「雪解けのしずく」は春の自然の現象である。誰かが「正しく恐れる」と言っていたのを思い出し、成程と納得したのだが、「正しい恐怖」と言われると、何とも不気味に響く。「雪解けの雫」は春の兆しそのものだが、「雪の雫」は何となく「正しい恐怖」に似ていて、怖い。


