A君が知っているバラの経験と知識は微々たるもので、いわば素人そのもの。そこで自己流のにわか研究で、道端のバラについて調べてみた。先達の知識や意見が最も信頼できるのだが、今はそれに該当するお手頃のガイドがWeb上の情報で、色々探索した結果、ほぼ間違いなしと信じたのだが、彼の主な情報源は以下のもの。
・【バラの育種史】ダマスクローズ~古より伝わる香りのバラ
https://gardenstory.jp/stories/95532
・「ダマスクローズってどんなバラ?」
歴史家ヘロドトスが「他のバラに優る芳香を放つ薔薇」と述べたダマスクローズは「ロサ・ダマスケナ(Rosa×damascena)」のことで、ガリカ・ローズとロサ・フェニキア、あるいはロサ・モスカータとの交雑によって生まれたと推定されていて、「バラの女王」と呼ばれる交雑種です(×は交雑を示す)。
かつてユーラシア大陸に自生していたバラは、春に一度だけ咲く、一季咲きの花でした。バラの原種を遡れば、10種ほどで、最初はバラの若芽や実を食用としていました。1867年にフランスで「ラ・フランス」が誕生し、バラが一年中見られるようになりました。秋には、初夏の頃の花よりも少し小ぶりで濃い花色のバラが咲きます。
ピンク色の花を咲かせるダマスクローズは古くから人々に愛され、ローズオイル、香水、アロマキャンドルなどとして利用されてきました。ダマスクローズは16世紀にシリアの首都ダマスカスから、ヨーロッパに持ち込まれ、そのため「ダマスカスからきたバラ」という意味で「ダマスクローズ」と名付けられました。
こんな風にダマスクローズについて要約しながら、見回せば、今年も道端にたくさんの花がいつも通り咲いていて、周りには良い香りが漂っています。A君はクレオパトラが愛したバラを散歩の途中で花と香りをゆっくり味わえるのは何とも幸せなことだとつい思ってしまうのです。
振り向けば ダマスクローズの 花香る
さて、道端のバラへのA君の対応はバラを知ることに尽きるのですが、まずはバラの名前を知り、そのバラについて知ることです。彼が知る過程で言葉と知識とが重要な役割を担うことは言うまでもありません。生活の中ではバラの名前を正しく知ることとバラについて正しく知ることは密接に重なり合っています。人の名前を知ることとその人を知ることは随分と違い、バラマニアではないA君には人名と種名の違いを強く感じるのです。


