夏の花色:青と白

 夏色となれば、青と白。そこで、まずは青色。ツユクサは夏の早朝に鮮やかな青色の花をつけます。子供の頃に見た、朝露の中のツユクサの花色は今でも鮮明です。そのツユクサが今年も咲き出しています。ツユクサ青い花は夏を感じさせる色そのものです。

 ツユクサは広心形の苞の中から、花弁を突き出すように花をつけます。大きく重なった二枚の青紫色の花だけが目立ちますが、よく見ると小さな白色の花がもう一枚下部にあります(画像)。ツユクサの花は早朝に開花し、午後には萎んでしまう短命の花です。

 ツユクサの別名は「蛍草(ほたるぐさ)」、「藍花(あいばな)」、「青花(あおばな)」、「移草(うつしぐさ)」、「月草(つきくさ)」、「鴨頭草(つきくさ)」などと様々です。そして、私はまだ食べたことがありませんが、ツユクサは野菜として食べることができます。

 次は白色。ムクゲは見る場所や時間によって印象が大きく変わります。とても日本的で、茶席に合うかと思えば、韓国の国花であり、同じフヨウ属のハイビスカスは異国の夏の象徴。それぞれに日本的、東洋的、そして世界的と形容して何らおかしくありません。

 和名の「むくげ」は木槿、槿。別名は「ハチス」。白の一重花に中心が赤い底紅種は「宗丹木槿(そうたんむくげ)」、すべて白い種は「遠州木槿(エンシュウムクゲ)。早朝の3時頃に開花した花は夕方には萎みます。最近は園芸種が多く、白のムクゲだけでも「玉兎」、「ホワイトシフォン」など様々。