ツユクサは夏の花の一つで、その花の青さは鮮烈で、子供の頃の早朝の露の下りたあぜ道が蘇ってくる。子供の頃の私は緑の草の中のツユクサの青色が夏の朝の色だと勝手に思っていて、その色がとても好きだった。
朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから「露草」となったと言われている。また、英名の Dayflower は「その日のうちにしぼむ花」という意味である。確かに午後になると青色はすっかり見えなくなってしまう。
ツユクサは花びらが3枚あり、羽の様に上を向いている2枚は大きく青色で、下の1枚は小さく白色で、まるで目立たない(二枚の画像で確認してほしい)。黄色のおしべが1本、めしべが6本あり、青い花びらとのコントラストが可憐で鮮やかである。
ツユクサの別名は「蛍草(ほたるぐさ)」、「藍花(あいばな)」、「青花(あおばな)」、「移草(うつしぐさ)」、「月草(つきくさ)」、「鴨頭草(つきくさ)」などと実に多く、どれも印象的な名前で、羨ましい限りの豊富な名前である。
*「露草」は秋の季語
露草のつゆの色こそ朝の夢 鳴戸奈菜
裏山は露草どころ墓どころ 上田五千石