無頓着なパンパスグラス

 最初見た時は「お化けヨシかススキか」と思ったが…日本名は銀葦(しろがねよし)。パンパスグラスはイネ科シロガネヨシ属の植物で、原産地はブラジル、アルゼンチン、チリなど。草原(パンパス)に生えるグラスというのが名前の由来である。

 日本には明治時代に入ってきた。夏の健康なヨシ、ススキという風情で、この暑さの中ですくすく伸びている。太くて長い茎は「人間は考える葦である(*)」という誰かの名言など一向に意に介さず、頓着のない外来種だと言わんばかりに空に向かっている。その姿の何と健康的なことか。

*L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature ; mais c'est un roseau pensant. (人間は一本の葦(=ヨシ)にすぎず、自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。)