秋のススキ

 イネ科ススキ属の多年草ススキ(芒、薄)は尾花とも茅(かや、萱)とも呼ばれ、秋の七草の一つ。秋に茎の先端に長さ20~30cm程度の十数本に分かれた花穂をつける。花穂は赤っぽい色だが、種子には白い毛が生え、穂全体は白っぽくなる。かつては農家で茅葺(かやぶき)屋根の材料に用いたり、家畜の餌として利用した。そのため、集落の近くに茅場(かやば)があった。妙高でも行われていた山焼きは、ススキを野焼きすること。春先にこの野焼きをしないと、ススキの草原に樹木が侵入し、ススキの原として維持できなくなるので、全部焼き払ってススキの草原を残す工夫だった。

 ススキを見るたびに故郷の秋が思い起こされ、どうも我が心の秋の季語になっているらしい。近くの公園にはススキだけでなく、大きなパンパスグラスもある。和名はシロガネヨシで、同じイネ科に属す南米原産の多年草。草丈が高く3mくらいまで生長し、雌雄異株で、花穂だけでも50㎝以上になる。こちらは新しい秋のシンボル。ススキとパンパスグラスでたっぷり秋を味わえる。

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パンパスグラス