ストックの花たち

 今花壇に登場し出したのがパンジーとストック。二つが一緒に植えられている場合がほとんどである。ストックの花色は紫、ピンク、白、ブルー、クリームと色々で、花には甘い香りがある。

 ストックの仲間は南ヨーロッパ北アフリカ西アジアに約50種が分布するアブラナ科アラセイトウ属の植物。ストックは秋から春にかけて花を咲かせ、花壇や鉢物に広く利用されている。原種の花は小さく紫色の一重咲きで、南ヨーロッパから北アフリカに広く自生している。古代ギリシャやローマでは薬草として扱われていた。16世紀の書物には既に八重咲きが記録され、16世紀末にはイギリスで広く栽培されていた。

 日本には江戸時代初期に渡来し、大正時代末期には千葉県安房地域で、日本最初の切り花生産が開始された。和名は紫羅欄花(アラセイトウ)という奇妙な名前。葉が厚くて毛に覆われていて、ラセイタという布(ポルトガル語で羅紗に似た地の厚い毛織物)に似ていることから転訛したようである。