クコ(枸杞)の実

 クコは日本を含む東アジア原産のナス科の落葉低木。クコは荒れ地や海岸の砂地のパイオニア植物で、高さ1~1.5mの落葉または半常緑低木。夏から秋にかけて薄紫色の花が咲き、秋に赤い果実をつける(残念ながら、ナスの花に似た、小さな薄紫色の花は見ることができなかった)。果実は液果で、秋に結実し、長径1~2.5 cmほどの楕円形で、橙紅色に熟す。クコの実は熟しても、自然に落ちることが少なく、長い間、木の上に残る(翌年の花期に熟すため、花と実が一緒にできるように見える)。

 葉は長さ2~4センチで、短い柄に数枚が集まって生じる。質感は柔らかで両面ともに毛は生じない。主だった幹はなく、細い幹が株元から多数生じる。枝は灰白色で縦に筋が通り、弓なりになって垂れ下がる。

 クコは漢方の要薬として知られ、三世紀の中国最古の医学書『神農本草経』に登場する有用な薬用植物。葉は「枸杞葉」、実は「枸杞子」、根の皮は「地骨皮(ちこっぴ)」と呼ばれ、滋養強壮や消炎、利尿、高血圧に利用されてきた。また、実は薬用酒や枸杞飯などの薬膳料理に利用されている。